オモイビト
そこで五人からちょっと離れたところに座ってあたしの過去の話をすると、二人は心を痛めてくれた。
「そんな理由で昴が離れてっちゃったら、ウチらもすごくツラいよ」なんてことも言ってくれた。
改めて、大好きだって思った。
その後は想とイチャ付いたり、陽紀と言いあいっこしてるあたしを見て勇気を出して二人で陽紀に話しかけたりしていた。
「あたしの友達まで傷つけたら許さないから」なんて釘を刺したりもした。
あたしにベタ惚れ想を見て、二人はからかったりもした。
辰と蛍都にはよそよそしくしたり、漆とは一言会話しただけでキャーキャー言って満足していた。
デートに行った、なんて言えなくなった。
全力でボコられる気がしてしょうがなかったから、そこはあえて伏せておいた。
この五人といて、ユナとアサといて、見る世界がガラッと変わった。
世界が急に、色鮮やかに輝いて見えた。