オモイビト
「想、問題です」
「はい?問題大好きです!」
そんなことは聞いてない!
「ここから『TEAR』まで一体どれくらいかかるでしょう?」
チッチッチッチッ...
今にも時計の音が聞こえてきそう。
チーン!
閃いた顔をして自信たっぷりに言った。
「い、一キロくらい!」
……。
もう、呆れるしかない。
「どれくらいかかるか聞いたんだけど。『かかる』って言ったら時間じゃない?距離はせめて『ある』だと思うんだけど」
「え!?っと……一キロだから、大体15分くらい……?」
一キロ前提に考えるな!
「……正解は、三分。ほら」
あたしたちの目の前には、すでに『TEAR』という看板が見える。