オモイビト
「昴さん」
「え、なに?」
「テストが終わったら、ご褒美にどこか出かけましょうか」
……ごほうび……。
「行く!!」
……べ、別にご褒美につられたわけじゃないんだからね!
ちょっと付き合ってやるのも悪くないと思っただけなんだから!
「たいちょー、バカ想の昴姉さんへの扱いがレベルアップしていってま〜す」
「おう、目を覚まさせてやれ」
そんな会話なんてあたしたちは無視して、勉強を続けた。
「昴さん」
その時、漆が話しかけて来た。
「何?」
「そのご褒美、俺も付いていきます」
……へ!?
「漆も!?」
「はい、二人だとデートになるので」