オモイビト
学年で三百人
大体あたしはいつも百位越えしてたから、本来なら蛍都の方が頭はいい。
ただ、今回は一位の想が教えてくれたから、五十位も上がった。
あたしはただアポロが大好きで……。
「で、想、いつ行くんだ?」
「付いて来るな」
……この会話はもしかして?
「ごほう……じゃなくてじゃなくて、デートっぽいもののこと?」
そう、想と約束していたご褒美。
漆が付いて来てくれることになったご褒美。
……いやいや、デートっぽいもの。
デートっぽいものよ。
「昴さん、いつがいいですか?」
「え?別にいつでも……」
「大丈夫でしたら今週の日曜日でもどうですか?」
「だから漆はいらない。仕切るな」
……案外漆行く気満々だよね。
「平気だよ。行けるなら行こう」