オモイビト


というわけで、あたしたちは日曜日にデートっぽいものに行くことになった。

想はというと、ずっと機嫌が悪かった。


それがちょっぴりかわいそうだとも思ったけど、なんだか可愛かったからしょうがない。


「昴」


学校の廊下で、陽紀が話しかけてきた。

学校で陽紀が話しかけてくるなんて珍しい。


「陽紀、あんまり目つき悪いともっと怖がられちゃうよ?」

「お前こそ俺といて怖がられるぜっすよ」


いやいや、だから陽紀の敬語おかしいから。


あれ、でも本来のあたしよりは頭いいんだったっけ?

だって順位が……。


「陽紀ってもしかして、国語苦手?」

「一番得意っすよ」


あれ、おかしいなぁ。

予定では国語がめちゃくちゃ苦手な感じのはずなのに。


「それより昴、堕天使覚えてっすか?」


……覚えてっか+敬語……?


あ、なんとなくわかってきたかもしれない!!

もしかして、ついいつもの調子で話してて、いい終わる直前に無理矢理敬語にしてるとか?
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