オモイビト


「どこ行くどこ行く!?」


あんなに怒っていたくせに、いざ来てみると一番はしゃいでいる想。

おいおい、単純君。

君は遊園地大好きっ子だったのかい……。


「……俺、ほとんどムリですから、二人で好きなように回ってください」


なんて園内に入ってから突然王子の告白を聞いてしまった。


「え……?で、でも、チケット持ってきたの、漆だよね……?」

「辰に押し付けられたので。俺、高所恐怖症です」


辰!?

これ辰が選んだの!?

てか高所恐怖症!?


……新たな漆情報ゲット……。


でもそれじゃ、漆が楽しめないじゃん……って言っても、逆に漆の楽しめるものってなんだろうってなるけど……。

あれ、でも変だよね?

だって幼馴染なんだから、漆が高所恐怖症だって知らないわけないよね?


……辰の考えることがわからない……。
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