オモイビト


「二人で楽しんできてください」

「あれ、でもそれって高いとこじゃなきゃ大丈夫なわけでしょ?」

「はい」


じゃ、お化け屋敷とか行ってみようかな。

漆、怖いもの平気そうだしね。


「あとで平気なところ、回ろうね」


せっかく三人で来たんだもん。

楽しまなきゃだしね。


「はい」


微笑んだ漆は、やっぱり王子だった。

ヤバいかっこいい……。


「ジェットコースター乗ろうぜー!」


……KY想。

いや、別に漆に惚れてるわけじゃないけどさぁ?

なんか、カッコいい人とのほんわかムードを崩されたっていうかさぁ?

わかるかな、この残念な気持ち。


「行ってらっしゃい」
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