オモイビト


それでも優しくそう言ってくれた漆。


「うん」


そんな漆に、今日も癒されるのです。


ジェットコースターの次はお化け屋敷とか、コーヒーカップとか、漆でも楽しめる……かもしれないものに乗ったりした。


「観覧車乗ろうぜ!」


そんな想の言葉に、これは確実に漆は乗れないな、なんて思いながら観覧車に向かった。


「天気が怪しいので、乗り終わったらTEARに帰りましょう」

「そうだね、なんか暗くなってきたしね」


遊園地に来てから、三時間が経とうとしていた。

これだけ遊べば十分でしょ。

お化け屋敷のクールな漆やビビりな想も見れたし。

すごく楽しめたし。


ってことで、最後の乗り物は観覧車になった。


……これが、運命の瞬間になるなんて思いもせずに……。
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