オモイビト


楽しくなんてないっつーの!!


「昴さん……」


冷え切った体。

ふいに、手から伝わってきたぬくもり……。

少しだけ感じる、力。


手、握ってくれてる……?

……なんだか、安心、する……。


「怖くなくなりましたか?」


そんな、不意打ちで優しくしないでよ。

さっきまでパニクってて、めちゃくちゃ今までのこと思い返してたくらいなんだから。


あれか?

天然紳士?

お化けが怖い、天然紳士……?


……でも、悪くないかもしれないけどね。

だってなんか、可愛いじゃない?

バカだけど、悪い奴じゃないし、頭いいし、可愛いし、優しいし。


「だから、付き合ってくれませんか?」


『怖くなくなりましたか?――だから、付き合ってくれませんか?』の繋ぎはおかしすぎるけど、あたしは無意識に頷いていた。
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