アゲハチョウ1

1−1

「美奈〜!!」

「ッ!なぐ・・・彩華ちゃん・・・」


N高の1−2のクラス状況。
4時限目が終了して皆が購買に行ったり、部活に行ったりとクラスの人達が殆ど居なくなった時。


クラスの中でも派手で指定の制服をこれでもかと着くずし、派手にデコレーションしている携帯を片手にしている南雲彩華。


彩華に似たように、派手な女子数人が彩華の周りに集まっている。


彩華に呼ばれた、榛原美奈は彩華とは正反対で、真面目でおとなしい子だ。


「何?じゃなくてぇ。アタシら今日お金無いんだぁ。美奈奢って?シンユウだもんね?」

「・・・う、うん。何を?」

「飲み物〜。」

「あたしコーラー!!」

「オレンジ!!」

「サイダーメロンでね。間違ってもサイダー買うなよ〜。」


皆口々にそう言い始めた。


「わ、分かった。ちょっと待ってね。」


美奈は急いで財布を片手に購買へ走って行った。




「・・・」

「あ〜・・・また榛原さん言いなりだよ。嫌って言っちゃえばいいのにね。」

「・・・。何で言わないの?」

「それが分からないの。私達も断りなって言ってるんだけどさ。」

「美奈ったら彩華ちゃんは親友だから。っ言ってね。」


クラスメイトの一部始終を、私は見つめていた。クラスの女子も事情は知らないが雰囲気を察しているようだ。


(見つけた。)


このN高に転入して2日。ターゲットを見つけました。
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