アゲハチョウ1
1−2
榛原美奈の事を知る為に、まずはしばらく様子を見る事にした。
「・・・。」
放課後南雲彩華たちグループから屋上に呼び出される榛原美奈。
(ありきたりだ。)
そう思いながら、私の力のひとつであるアゲハを利用して、姿や気配を隠し近くで観察する事にした。
一匹の黒い大きなアゲハを呼び寄せて、私の体と一つになる。アゲハの刻印が左二の腕に現れたら、力が発揮された証拠だ。
力が発揮された事を確認して、私は榛原美奈達のやり取りがよく見える位置まで、近づく。
「彩華・・・ちゃん。」
美奈はオドオドしながら、彩華を見た。彩華は綺麗な眉を眉間に寄せ、不機嫌オーラを放っていた。
「本ッ当、ドジなんだから。」
「ご、ごめん、なさい。」
美奈は顔を俯かせて小さな声で謝っている。
(・・・昼休みの事か。)
昼休み、榛原美奈は頼まれた人数分の飲み物を持って来たときに、南雲彩華の取り巻きAがわざと出した足に躓いて、飲み物をこぼしてしまったのだ。
飲み物は見事に南雲彩華にかかり、南雲彩華は散々な目にあっていた。
「どうしてくれるの〜。彩華がこんなになったの、榛原さんの所為だよ?」
「う、は、はい・・・」
「シンユウにそんな事するなんて、サイテー。」
「あたしに恥かかせたんだもの。覚悟できてるわよ、ねッ!!」
彩華が美奈を押し倒す。
「きゃッ!!」
美奈は後ろに倒れて座り込む。彩華達は嗤っていた。
「本当、ごめんなさい!!」
「ごめんなさい。で済んだらケーサツ要らねぇんだっつうの!!」
「うッ!!」
一人が榛原美奈を蹴る。鳩尾に蹴が入って榛原美奈はその場に蹲る。
その一人が発端となり、周りに居た南雲彩華以外の女子が次々と蹴る、殴るの暴行を繰り返す。
(これが・・・女の子のやること?・・・時代が変わったらこうも、変わってしまうのね。)
目の前の行為に驚き、悲しみを隠せない。止めたいけれども、止められない。私に止める権利は無い。
奥歯を噛み締めて、私は食い入るようにその光景を目に焼き付けた。
「・・・。」
放課後南雲彩華たちグループから屋上に呼び出される榛原美奈。
(ありきたりだ。)
そう思いながら、私の力のひとつであるアゲハを利用して、姿や気配を隠し近くで観察する事にした。
一匹の黒い大きなアゲハを呼び寄せて、私の体と一つになる。アゲハの刻印が左二の腕に現れたら、力が発揮された証拠だ。
力が発揮された事を確認して、私は榛原美奈達のやり取りがよく見える位置まで、近づく。
「彩華・・・ちゃん。」
美奈はオドオドしながら、彩華を見た。彩華は綺麗な眉を眉間に寄せ、不機嫌オーラを放っていた。
「本ッ当、ドジなんだから。」
「ご、ごめん、なさい。」
美奈は顔を俯かせて小さな声で謝っている。
(・・・昼休みの事か。)
昼休み、榛原美奈は頼まれた人数分の飲み物を持って来たときに、南雲彩華の取り巻きAがわざと出した足に躓いて、飲み物をこぼしてしまったのだ。
飲み物は見事に南雲彩華にかかり、南雲彩華は散々な目にあっていた。
「どうしてくれるの〜。彩華がこんなになったの、榛原さんの所為だよ?」
「う、は、はい・・・」
「シンユウにそんな事するなんて、サイテー。」
「あたしに恥かかせたんだもの。覚悟できてるわよ、ねッ!!」
彩華が美奈を押し倒す。
「きゃッ!!」
美奈は後ろに倒れて座り込む。彩華達は嗤っていた。
「本当、ごめんなさい!!」
「ごめんなさい。で済んだらケーサツ要らねぇんだっつうの!!」
「うッ!!」
一人が榛原美奈を蹴る。鳩尾に蹴が入って榛原美奈はその場に蹲る。
その一人が発端となり、周りに居た南雲彩華以外の女子が次々と蹴る、殴るの暴行を繰り返す。
(これが・・・女の子のやること?・・・時代が変わったらこうも、変わってしまうのね。)
目の前の行為に驚き、悲しみを隠せない。止めたいけれども、止められない。私に止める権利は無い。
奥歯を噛み締めて、私は食い入るようにその光景を目に焼き付けた。