放課後恋愛
「俺は平気だよ。それほど痛くなかったから。心配してくれてありがとな。」
「別に……し、心配してるわけじゃないよ…。」
ボソッと独り言のように小さな声で呟いた。
そう…
九条君に後々、恨まれたりしても困るから聞いただけ…。
心配とか…そういうわけじゃないんだから。
「紗智が痛いところ、どこもなくて良かった…。」
言葉の後、私の方に近付いて来る足音。
胸の前で両手をギュッと握りながら、ただただ俯いていると、目の前に九条君がやってきて、スッとしゃがんだ。