放課後恋愛
「ど…どいてよ。」
昨日のことがあったせいか、この至近距離で九条君を直視出来ずに俯く。
本当は鋭く睨みつけたいのに…。
「紗智ってさ…、慎重そうな感じがするけど意外と無防備なんだな。自習室に入ってきた俺にも気付かないんだから…。」
「え?」
む、無防備?
ただ、あれこれ考えることに集中しちゃってただけなんだけど…。
「そういうところ見せてると、狼に襲われるぞ?」
九条君のフッと笑う声が聞こえた。