放課後恋愛
「えっ…」
目の前?
そ、それって……。
パチパチと瞬きを繰り返していると、髪の毛を絡めていた九条君の指が今度は顎に触れる。
そして、俯いていた私の顔を上へと向かせた。
「昨日言ったろ?紗智にハマりそうだ…って。その意味、分かる?」
目線が上がったことで、私の視界の殆どを九条君の顔が占めている。
視線を逸らしたいのに…、顎に触れられている指のせいで、それも出来ない。
もう!
“意味”って何なのよ。
イライラしながら、何か言葉をぶつけようと思い、口を開きかけた時だった。
「覚悟しとけよ?」