放課後恋愛
「なっ…何よ。もう私は手帳さえ返してもらえば、自習室に用事はないんだから。」
腕を離してほしくてグッと引っ張ってみたけれど、一層強く掴まれた。
「紗智の用事が終わっても、俺はまだ終わってねぇよ?」
九条君の用事…?
首を傾げる私に、九条君は空いている手で、いつも私が勉強をしているテーブルをスッと指差した。
「俺に勉強を教えてよ。」
「えっ!べ……勉強を?」
九条君からの思わぬ言葉に、ただただ驚いてしまった。