放課後恋愛
「えっと…、この問題は公式使って解くんだけど、この公式っていうのがテキストの36Pに載ってて…」
私は自分のテキストを使いながら、九条君に説明を始めた。
九条君はフムフムと頷きながら、テキストと問題集の間で視線を行き来させている。
その表情は今までに見たことがないくらい真面目だった。
「この公式を、どうやって使うの?」
「ここに当てはめるの。そうすると…」
「あっ!なるほどな。これなら解けるようになる…。」
九条君の表情がパッと明るくなり、問題を解く手が一気に速くなった。
ちょこっと教えただけなのに、他の同じような問題もスラスラ解いてる…。
案外、のみこみが早いのかもしれないな…九条君。