放課後恋愛

自習室の扉をパシッと閉めて、廊下を足早に歩いていく。


熱く感じる頬を、時折パタパタと手で扇いで風をおくった。


“また明日、一緒に勉強しような”だなんて……。


馴れ馴れしく言わないでよ…。


今日は生徒手帳のこともあって、やむを得ず行っただけなんだから。


でも……
さっき九条君に、そう言われた時……


なんで私……キッパリ断れなかったんだろう…?


“嫌だ”って言えば良かったのに、言葉にしようとしたら上手く声が出てこなくて、無言のままで終わらせちゃった…。


おかしいな…。
どうしちゃったんだろう、私……。



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