放課後恋愛
「藤野さん、いつも成績すごいよね。テストだって、毎回学年で3位以内に入ってるし。密かに尊敬してたんだ〜。」
「そ…そうなんですか…。あ、ありがとうございます。」
予想もしてなかった言葉に、ぎこちなく返事をしてしまった。
「ん〜、考えてもみれば、勉強嫌いの綺斗が、ここに来るわけないか…!他を探す方が良さそう。」
女の子は独り言のように呟くと、ハァ…とため息を一つ零しながら、私の方に再び視線を向けた。
「勉強の邪魔しちゃってゴメンね。頑張ってね、藤野さん!」
パッと表情を笑顔に変えた女の子に手を振られた私は…
とりあえず、同じように笑顔で手を振り返していた。
咄嗟に作った笑顔だから、少しひきつったかもしれないけど…。