放課後恋愛
「もう忘れたのか?」
「こ、こんな状況で聞かれると、上手く頭が回ってくれないの!」
もどかしさのせいで、声を荒げてしまった。
思考力が極端に鈍る…。
こんな感覚、経験したことないよ…。
「それなら、紗智に対する気持ちが確信を持った今日、あらためて言う…。」
低く響いた声が心を揺らす。
私は無意識のうちに俯けていた顔を上げて、九条君を見ていた。
「俺は……」
九条君の真剣な眼差しに吸い込まれそうになった時…
制服のポケットに入れていた私の携帯電話のバイブが震えた。