放課後恋愛

「たまに、休みの日に勉強のことで何か聞いたりする時、メールや電話を使うだけよ…。普段は、同じクラスだし、話す機会もあるからメールすることもないし…。」


私は淡々と九条君に話した。


本当は話す義務もないけど、黙っていても九条君は体を離してくれないだろうと思ったんだ。


でも九条君からは何の反応も返ってこない。


喋ったのに聞いていなかったんだろうか…?


こっちは急いでいるっていうのに…!


さっさと体を離してほしくて、思いっきりもがいた。

「もう質問には答えたから、いいでしょ?早く戻らないと朔矢君が教室に……」

「……断って?」


被せるように発せられた九条君の言葉に、私は動きをピタリと止めた。



< 191 / 425 >

この作品をシェア

pagetop