放課後恋愛

「確かに今日は綺麗な三日月だな…。俺は月よりも紗智を見ていたいけど。」


「なっ…何言ってんのよ!」


「だって、それが本心なんだから仕方ねぇだろ?」


ドクンッ……
九条君の言葉で何故か鼓動がうるさくなっていく。


このままじゃ、後ろの九条君に聞こえてしまいそうだ。


それは…避けたい。


「早く帰りたいんだから、はっ…離れてよ。」


必死に体を捩らせると、九条君は“そんなに暴れるなよ…”と笑い混じりで言いながら、ゆっくりと離れた。



< 208 / 425 >

この作品をシェア

pagetop