放課後恋愛
「本当にありがと。今日も丁寧に教えてもらえて嬉しかった…。」
囁くような声にドキッ…と鼓動が大きく波打つ。
お礼…、そんな風に言われると素直に嬉しくなるじゃない…。
悪い気分になんか…、絶対にならないもん…。
「ど、どういたしまして…。」
ボソッと声に出すと、顔がじわじわと熱くなっていくのが分かった。
こんなに照れるなんて…思ってもみなかったよ…。
赤く染まっていく顔を見られないようにと俯きながら、私は目の前に立っている九条君の横をすり抜けて、スタスタと歩き始めた。