放課後恋愛
私は動きを止めて、ゆっくりと握られている手に視線を落とした。
そんな選択の仕方って…あり?
どちらを選んでも、私にメリットが無いんですけど…。
答えたくなくて沈黙していると、九条君は私の手を引いて勝手に歩き始めてしまった。
「きゃっ…!いきなり歩き出さないでよ。」
「んじゃ、思いっきり抱きしめようか?」
「…っ……!」
思わず言葉に詰まる私を見ると、九条君は笑みをこぼす。
結局、何も言い返すことが出来ず、九条君に手を握られたまま家まで歩いていた。