放課後恋愛
今日の九条君に、私…いつも以上に心を乱されている…。
ここは、早く九条君に帰ってもらって、気持ちを落ち着かせたい…。
「九条君、あっ…あの……、手…離して?もう家に着いたんだから…」
私は握られている手を少し揺らした。
「そういえばさ…、思い出してくれた?」
「えっ?」
なんのこと…?
首を傾げながら、ハテナマークをいくつも浮かべた。
「昨日、俺が紗智に言った言葉だよ…。さっき、自習室で答えを改めて言おうとしたら、朔矢のメールで邪魔されたじゃん。」
あの時のことか…。
でも、今も思い出せないことに変わりはないや…。