放課後恋愛
「えっ……?」
咄嗟に顔を上げると、九条君と視線が絡まる。
強い眼差しを避けたくて、目を逸らした瞬間……
手を引っ張られて九条君に抱きしめられてしまった。
「好き……」
耳元で囁かれて、ピクッと体が震える。
九条君は、そんな私の耳たぶに軽くキスをした後、耳元から顔を離してジッと見つめた。
「俺、紗智が好きだ…。」
綺麗な三日月と、たくさんの星が瞬く夜空の下……
九条君の真っ直ぐで透明な瞳に捕われてしまった私は…
しばらく視線を逸らすことが出来なかった。