放課後恋愛
「へぇ…。“紗智”って可愛い名前だな。なんか親しみやすい。」
「い…いきなり何言ってんのよ。」
ガタッと勢いよく席から立ち上がって、後退りをした私は九条君を睨んだ。
私としたことが、今の言葉に少し動揺しちゃった…。
いつも他の女の子たちにも、同じようなセリフを言ってるに決まってる…。
頭では、そう思ってたのに……不覚にも反応しちゃうなんて…。
顔を俯けると、九条君も何故か立ち上がって私の目の前までやってきた。