放課後恋愛
「おねえちゃん、どうしたの〜?」
リビングにいた結希も、私たちのやりとりを不思議に思ったらしく、傍まで駆けよってきた。
「何でもないの!も、もうすぐお昼ご飯出来るから、待っててね。」
結希に穏やかに言葉を掛けつつ、必死に身を捩らせていると、九条君がようやく体を離した。
「俺、何か手伝おうか?」
「結構ですっ!お願いだから、リビングに戻ってよ…。」
フルフルと震える指でリビングを差すと、九条君は結希や航と一緒に戻っていく。
柔らかい笑顔を私に見せながら。