放課後恋愛
「いつも課題は学校で済ませちゃう紗智にしては珍しい…。なんかあったの?」
「うん…。少々、不測の事態が…。でも大丈夫…。」
“かなり不測の事態だった…”っていうのが本音だけど、心配そうな表情をしている汐莉を見たら、そんな風には言えなかった。
「そっかぁ…。昨日は大変だったんだね…。紗智の場合、家に帰っても直ぐには勉強に取り掛かれないんだもんね…。」
「うん。まあ…私も楽しいからいいんだけどね。」
そう…
楽しみがあるから、そのために課題や予習は、学校で終わらせて帰るんだ…。
いつも…
大切な理由があるから…。