放課後恋愛


「でも、俺だってアイツと同じくらい…、いや…それ以上に紗智が好きだから、絶対に負けねぇよ?」


九条君の片手は、押さえていた私の手を離れて頬に触れる。


ピクッと体が震える私を、九条君はジッと見つめた。

「俺を本気にさせた女は紗智が初めてだから…、必ず手に入れる…。」


そう言うと、九条君は真剣な表情をフワッと緩めた。


「俺を選んでよ、紗智…。」


頬を撫でた後、九条君は私の手の甲にキスを落とす。

そこは…、午前中に図書館で朔矢君にキスされた場所と偶然にも重なっていた。


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