放課後恋愛
“ぐぅー……”
静かな教室に響いた音に、私は慌ててお腹を押さえた。
うそっ!?
こんな時に、お腹が鳴っちゃった…。
やだ……
ものすごく恥ずかしい…。
「紗智、今の音ってもしかして……」
九条君は体を離して、視線を私のお腹に向ける。
私は、顔から湯気が出そうなほど急激に熱くなってしまった。
「お、お昼だし……さっきまで体育で体を動かしてたから、お腹空いてたの…。あんまりジロジロ見ないでよ。」
お腹をさすりながら言うと、九条君はフッと笑った。
「いいじゃん、お腹が空くのは自然なことなんだし。昼休み……少し時間が減っちまったけど教室戻ろっか。俺もお腹空いた。」
教室の時計を見上げる九条君に、私もコクンと頷いた。