放課後恋愛

私は、震える唇をキュッと噛みしめる。


「さっちゃん…?」


心配そうな声で私を呼ぶ朔矢君に、胸が痛くなるのを感じた。


話したいことを声に出して伝える……。


普段なら自然に出来るのに、声にするのがこんなに難しく感じることもあるんだ…。


でも、黙ったままで居ちゃダメ…。


朔矢君は、私に気持ちを素直に伝えてくれた。


言葉にして、ハッキリと伝えてくれたんだ…。


だから私も…朔矢君に伝えなきゃ…。


時間が静かに流れていく中、私はゆっくりと口を開いた。



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