放課後恋愛
「…そっか。さっちゃんの気持ちがハッキリと九条に向いてるなら…、どうしようもないね…。」
朔矢君は、ゆっくりと私の体を離すと切なそうに微笑んだ。
「素直な気持ち、聞かせてくれてありがとう…。泣かせちゃって、ごめんね…。」
温かい親指で私の涙をそっと拭う朔矢君に、胸が何かに掴まれたかのように苦しくなった。
中学の頃から、ずっと優しい笑顔で温かく接してくれてた朔矢君…。
そんな彼のことを…切なさでいっぱいの表情にさせちゃった…。
誰かを好きになることは…誰かを傷つけることでもあるんだ…。
私は、しばらく朔矢君の前で涙を流し続けていた。