放課後恋愛

疑惑


朔矢君が自習室を出て行った後、ボーッと窓から差し込む夕日を見ていた私は、ふと壁の時計を見上げた。

私も…そろそろ帰ろうかな…。


ゆっくりと席を立って、テキスト類をカバンへとしまい込む。


自習室の戸締まりを確認してから校舎を出た私は、心ここにあらずな状態でトボトボと歩き始めた。


頭の中では、さっきまでの朔矢君の切ない笑顔や声がグルグルと駆け巡る。


どんよりと沈んだ気持ちのせいか、自然と俯き加減になってしまった。


< 378 / 425 >

この作品をシェア

pagetop