放課後恋愛
九条君は、テキストを適当に開いて問題を解き始めた。
「ここは穴場だよな…。女子たちの盲点をつける。まさか俺が自習室にいるとは思わないもんな。」
……なるほど。
動機は至って不純なわけね…。
何か裏があるだろうな…とは思ってたけど、そういうことか。
満足そうな笑顔を浮かべている九条君に、冷ややかな視線を送った。
九条君の穴場に指定された、この教室で勉強をしてる私にとっては、かなり微妙な心境だ。
せっかく昨日限りの悪夢だったはずなのに…
九条君の予測不能な行動に頭を悩ませることになってしまった。