放課後恋愛

そう思っていたものの…


休み時間になる度に、九条君に話し掛けられないようにと、即行でトイレに逃げたり、図書室に行ったり…。


とにかく、不自然極まりない行動を繰り返してしまった。


そして、お昼休みの今…。

私は汐莉を連れ出して、屋上に来ている。


平静を装ってお弁当を広げ、卵焼きを頬張ったところで、汐莉がジーッと私の顔を見つめた。



「ねえ、紗智…。九条君とケンカでもしたの?」


“九条君”という言葉にダイレクトに反応した私は、卵焼きを喉に詰まらせて、むせてしまった。



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