放課後恋愛
ドキン…
心臓が大きく跳ね上がる。
「お、大げさだよ…。」
嬉しそうな顔をしている九条君に、照れくささのあまり、小さな声で呟いた。
「やっぱり紗智には笑顔が一番似合うよな。さっきの悲しそうな顔は…さすがに堪えた…。」
不意に、九条君の表情が少し寂しげなものに変わった。
「あっ…ごめんなさい…。私が勝手な思い込みをしてたせいで、九条君に色々とキツいこと言っちゃった…。」
「俺の方こそごめん…。紗智にあんな顔させるぐらい傷つけちまった…。」
九条君は再び私の背中に手を回すと、包むように優しく抱きしめた。