放課後恋愛

「あ…、これから航の誕生日パーティーがあるんだよな?」


自習室の時計を見上げた九条君が、体を離そうとした瞬間……



私は咄嗟に九条君の真っ白な制服の半袖シャツに手を伸ばして、ギュッと握っていた。





「待たなくていいから…。」


「えっ…?紗智?」


「私の気持ち…待たなくていいよ…。だって…」



驚いている九条君を見つめながら、シャツを握る力を強めた。






「私…、九条君のことが好きだから……。」



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