放課後恋愛
「紗智……」
「九条君のペースに巻き込まれるうちに、気付いたら好きになってたの…。絶対に好きになるタイプじゃないと思ってたのに…好きになっちゃった…。」
本当に不思議…。
九条君に対して、苦手意識すらあったのに…
想いを伝えたい…って思うぐらい好きになるなんて。
シャツを握りしめている手に視線を落とすと、九条君が包みこむように手を重ねた。
「俺、めちゃくちゃ嬉しい。今日、紗智から“好き”って言葉を聞けるなんて思ってもみなかったから、なんか嬉しすぎてヤバい…。」
その言葉を聞いた途端、私の顔は湯気が出そうなぐらい一気に熱くなるのを感じた。