放課後恋愛
「そ、それじゃあ…帰ろっか…。私も誕生日パーティーの準備を手伝わなくちゃ…。」
モゾモゾと体を動かすと、九条君も背中に回していた手をゆっくりと離していく…
…と思っていたのに、両脇に手を入れられて体を持ち上げられてしまった。
「えっ…!?な、なんで?」
「紗智、軽すぎ。ちゃんと食事摂ってんの?」
パニックになっている私を、九条君は優しい瞳で見つめながら、テーブルの上に静かにおろした。
「食事はシッカリ摂ってるよ…。そ、それより早く家に帰って準備を……」
途中まで言ったところで、九条君の人差し指が私の唇に触れた。
「せっかく両想いになれたんだから、航の誕生日パーティーに行く前に、もう少しだけ紗智を独り占めしたい……。」