放課後恋愛
あ…。
私ってば、何ジッと見ちゃってるんだろう…。
勉強しなきゃいけないっていうのに…。
「……あれ?紗智…おはよ…。」
私の視線を感じてしまったのか、九条君はゆっくりと目を開けた。
「お、おはよう…っていう時間じゃないでしょ?寝呆けないでよ。」
大きな欠伸をした後、腕を天井に向かって伸ばす九条君から慌てて目を逸らした。
「ちょっと意外だったな…。」
「な、何がよ。」
いきなり飛んできた言葉の意味が分からず、素っ気なく聞き返すと、九条君はフッと笑った。
「俺が目を開けた時、紗智が少し笑ってたから。」