放課後恋愛

「先生、どうしたんですか?」


「実は、さっき藤野に渡すのを忘れてたものが………って、うわっ!九条!!」


先生は九条君を見るなり、手に持っていたものを床にバサッと落としてしまうほど、驚いてしまった。


ある意味、自然な反応のような気もする…。


「お前、ここ自習室だぞ!?一体どうしたんだ?」


先生は、慌てて床に落ちたものを拾うと、心配そうな表情で九条君のもとにやって来た。


「俺だって、勉強する時はしますよ。先生にも、迷惑かけっぱなしですから…。」


「自覚してるなら、ちゃんと授業も出てくれよな?興味が持てるような授業になるよう、俺も工夫するから。」


困り顔の先生にも九条君は穏やかに笑顔を見せていた。



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