放課後恋愛

「九条がそこまでヤル気になってるとはな…。それじゃあ、藤野。宜しく頼むよ…。テストまでの間、短時間でいいから…。」


松宮先生に何度も懇願されてしまい、私も引きつり笑いを浮かべるしかなかった。


ここまでくると、断るのも少し申し訳ないかな…と感じてしまう…。



そう思った私は、仕方なく“分かりました”と先生に返事をした。


どうせ、九条君のことだ…。


私に勉強を教えてもらおうなんて、本気で思ってるわけない…。


いくら女の子たちから逃れられる穴場とはいえ、そのうち居心地悪くなって出ていくよね…。


数日もすれば、この教室にも来なくなるはず…。


そう安易に考えていた。



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