放課後恋愛
「………。」
私は無言のまま、九条君の手からカバンを荒々しく取った後、脇目もふらずに自習室から飛び出した。
何か九条君が言っているような気はしたけれど、それに構わず、ひたすら走る。
校舎から出たところで、私はピタッと足を止めた。
何よ…さっきの…。
私が九条君に何をしたっていうの…?
肩で大きく息をしながら、ふと、唇に手を伸ばした。
なんで、こんなところに触れたりするの…?
意味分からないよ…。