放課後恋愛

「さっちゃん、お待たせ。」


突然、聞こえてきた声にハッとして顔を上げると、朔矢君の笑顔が降ってきた。

まるで王子様のようなキラキラな笑顔に、燻っていたイライラも消えてしまう。

私が、この笑顔を目の前で見られるなんて、畏れ多いくらいだなぁ…。


朔矢君に笑顔を返しながら、カバンを手にして立ち上がった。


「図書室、行こっか。」


「う、うん…。」


若干……というよりも、かなり緊張しながら返事をした後、朔矢君と一緒に教室を出た。



< 74 / 425 >

この作品をシェア

pagetop