放課後恋愛
無くしたモノ
図書室に来てから一時間ほどが経過した。
朔矢君の助けもあって、課題だけでなく、テスト対策まで進めることが出来た。
今日は、この辺で帰ろう…。
私は、広げていたノートやテキストを静かにまとめた。
「朔矢君、色々と教えてくれてありがとう。」
「俺は大したことしてないよ。さっちゃんの実力だろ?久しぶりに勉強出来て、楽しかったよ。」
「私も楽しかった…。また一緒に勉強できる機会があるといいね…。」
朔矢君に笑顔で話しかけながら、ノートを入れようと、カバンを開ける。
その中に視線を移した私は、手の動きをピタッと止めた。