放課後恋愛
でも、何はともあれ見つかって良かった…。
ホッと胸を撫で下ろしながら、生徒手帳を受け取ろうとすると、九条君は持っていた手を高々と挙げた。
「えっ…、ちょっと!」
咄嗟に手を伸ばしたものの、身長差があるせいで生徒手帳には届かない。
立ち上がって取ろうとすると、九条君は空いている手で私の肩を掴んだ。
「返す前に、教えて欲しいことがあるんだけど。」
「教えて欲しいことって…何よ。」
不機嫌モード全開で首を傾げる私に、九条君はジリジリと顔を近付けてきた。
「ここに来るまで、朔矢とどこに行ってたの?」