放課後恋愛
「ひゃあっ!!ち…違っ…!彼氏じゃないってば!」
耳元で囁かれた声に反応して、体が少し仰け反ってしまった。
「へぇ…、彼氏ってわけじゃねぇんだ…。それなら最初から、そう答えれば良かったのに…。」
ムカつく…!
その満足そうな笑みが無性に腹立たしい…。
「紗智は本当に耳が弱いんだな。今の反応も可愛かったじゃん。」
九条君は私の手首を掴んでいた手を離すと、耳たぶに軽く触れた。
「俺、少し…安心したかも。朔矢が紗智の彼氏じゃなくて。」