嫌い、だけど好きなんです!
キュッキュ。
蒸気で曇った鏡を
手でこする。
「あは…あんま変わんないや…」
目の赤みは取れたものの
目の腫れはどれだけこすっても
洗ってもとれてはくれなかった。
こすっちゃいけないことぐらい知ってた。
けど先輩に見せたくないその一身で
腫れを消そうと思いっきりこすった。
胸がズキズキする。
もう、やだよこんなの…。
先輩と気まづくなるのも嫌だから
先輩の前では元気でやろう。
そう心に決めた。