生徒会で、ヒミツの恋愛しちゃいました。



あたしが引いてしまった衝撃的な内容のくじを見て、固まる紅羽先輩に由羽先輩。


腕を組んで何かを考え込んでいる瑞兄に、眉を潜める小杉春流。


そんな光景が目の前で繰り広げられている。現実から目を逸らしたくて、顔を俯かせた―――その時だった。




「…行くぞ、未愛」



「え?」



「キス、しないといけないんだろ?」




瑞兄は素早くあたしの手を取り、ギュッと痛い程に握ってきた。思いがけない行動に、本部テントの空気は張り詰める。




「だ…ダメだよ!此処は恋愛禁止の学校でしょ?生徒会長がそんな事したら、示しがつかないってば!」



「そんな事言ったって、この状況を回避出来る方法なんて無いんだぞ?第一、春流は身に覚えが無いって言ってるし」



「でも―――」



「方法なら、あるけど」




瑞兄への言葉は、小杉春流の抑揚の無い声で掻き消された。


…方法があるって、本当?




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