生徒会で、ヒミツの恋愛しちゃいました。
***



どのくらい、顔を伏せた状態で居たのだろうか。


ブサイクでグシャグシャな顔は、あたしの名前を呼ぶ声に操られるように、徐々に新鮮で冷たい空気に晒されていく。




「未愛?」



「…瑞、にぃ?」




そう。優しく名前を呼んでくれたのは、誰でもない瑞兄で。


その後ろには、心配そうな表情を浮かべた、紅羽先輩と由羽先輩の姿も。


あたしと目が合った途端に、紅羽先輩の瞳からは大粒の涙が溢れていく。




「く、紅羽せんぱ―――」



「心配じだんだがが、びあぢゃーんッ!」




ちょ…紅羽先輩。泣き過ぎで、何を言ってるのか分かりませんって…。


勢い良く抱きついてきた紅羽先輩を、あたしは微笑んで優しく抱き締めた。




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